中耳炎の治療

当院では鼓膜の状態を内視鏡で撮影・記録し、経過を詳細に比較検討することで的確な診断治療を行っています。
中耳炎といっても様々な状態があります。患者様の年齢や状態に見合った治療が必要です。適切な治療を行わないでいると、もっと重い中耳炎に進展し後遺症を残します。それを是非とも防ぎたいと思い治療に取り組んでいます。
院長は真珠腫性中耳炎や穿孔性中耳炎の手術を数多く手掛けてきたスペシャリストであり、最善をつくします。
年齢 症状など
0〜2歳 免疫力がまだ弱く、中耳炎を繰り返しやすいです。特に集団保育のお子様は感染症にかかりやすく、頻繁に急性中耳炎を起こします(反復性中耳炎)。または、急性中耳炎がしっかり治らないまま続いたりします(遷延性中耳炎)。外から見て症状がない場合もあります。微熱が続いたり、鼻水が長引いている場合は要注意です。鼓膜の状態のチェックを受けられることをお勧めします。
3〜8歳ごろ 風邪をひいたときになる急性中耳炎は、すぐに治ればそれほど問題にはなりません。無治療でも後遺症を残すようなこともないでしょう。ほとんどはそのような中耳炎です。しかし、一部に難治なものがあります。滲出性(しんしゅつせい)中耳炎は鼓室に液体の溜まっている状態ですが、たまっていなくても鼓室の空気が少なく鼓膜が陥凹した状態は鼓膜の変形をきたし、真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎という恐ろしい中耳炎に進展する危険性があります。鼓膜の変形をきたすような場合や、液体が溜まったまま治らない場合は、中耳の通気治療や、鼓膜換気チューブを挿入する手術を行います。この年齢なら完治する可能性もあります。
9歳ごろ〜成人 この年齢で一過性の急性中耳炎ではなく、慢性的に鼓膜の状態が悪い場合は中耳の換気機能に問題が考えられます。乳幼児期から中耳炎が遷延したために中耳の発育が阻害されてしまっている場合や、耳管開放症や耳管狭窄など耳管機能に問題があることが考えられます。すでに中耳の成長が終わりつつある段階で、完治は困難になってきます。厳重な経過観察が必要で中耳の通気治療などを継続します。鼓膜換気チューブを挿入する手術を行う場合もあります。